今日は、第30番を最後まで読み終えました。私たちのテキストは1864年2月7日の「フィガロ」に載ったものに依拠した死後校訂版に基づいていますが、1864年11月1日の「アルティスト」に再掲載された版では、ラストに付け加えられた部分があり、その箇所数行分を板書で示しました。首吊りの紐10センチ当たり百フラン、1メートルあれば都合千フランになり、それは、子供を亡くした哀れな母親にとって、現実的で実効的ななぐさめになるだろう、という記述です。鹿島茂さんによれば、19世紀の1フランは大体1000円で計算すると日本人のイメージに合うそうですから、千フランは百万円になります。いったい、どのような論理から、首吊りの紐が市場価値を持つようになったのでしょうか?これはちょっと調べてみるに値するかもしれません。もう少しゆっくりしたい気もするのですが、とりあえず、来週は、次の31番「天職」に入ります。