今日はp.55の2行目(脚注1の途中)まで読みました。1960年代に進行する知的言説の質的転回は、中世からルネッサンスへの移行で生じた注釈の質的転回と同じくらい重要だとバルトは言います。これはおそらくスコラ的・アレゴリー的聖書読解から原典主義的・意味論的聖書読解への変容をさしているのではないかと思います。その転回の鍵となるのが言語の「象徴性」の発見(あるいは再発見)であるとして、以下、話の中心はsymboleへと移っていきます。このあたりは、第1部の図式(多義性重視の新批評と「象徴不能症」の旧批評との対立図式)が一部繰り返されます。p.53にはsymbole(s)/symboliqueおよびlangage/linguistiqueという単語が集中的に現れています。「複数的言語」の節に入ると、たとえばp.54では、sens plurielやoeuvre ouverteといった言葉が集中的に用いられて、象徴の持つ複数性・多義性・開放性を強調する議論が続きます。次回は、今日やったところのうち参照箇所の紹介を少ししてもらってから、続きを読み、p.57の下から5行目までは最低限進む予定です。引用箇所が出てきたら、そのオリジナルテクストのコンテクストを簡単に紹介してもらえると助かります。それでは、担当者の方、ご準備をよろしく。