開講しました

 後期のフランス文学概論が始まりました。まず予定表を配って、授業の見通しを説明しました。今週と来週は、ボードレールの『パリの憂鬱』から「駄目なガラス屋」を読み、このテクストをめぐる間テクスト的散歩をします。今日は、「駄目なガラス屋」の本文を、フランス語原文も紹介しながら、ゆっくりめに読み、続いて、ウーセイ宛献辞とウーセイの詩「ガラス屋の歌」をざっと読みました。「花の小鉢」が「私の戦いの武器」になって、それが「垂直に」、駄目なガラス屋を直撃するシーンの背後におそらくはあるであろうと思われる、ボードレールvsウーセイ、新しい詩学vs古い詩学、といった劇について、その見通しに触れました。来週は、ボードレール詩学の先達としてのポーと、ポーからボードレールマラルメヴァレリーと続く「効果の詩学」の系譜について、お話しようと思います。
 前期に続いて後期も「10分間発表」をやります(案内は、今井ホームページの「授業資料」にあります)。授業予定表に少しずつ組み込んでいきますので、早めに発表予定を立てていただけるとありがたいです(とりあえずの予定でもかまいません)。それでは皆さん、どうぞよろしく。