今日は、バルザックの『ゴリオ爺さん』から、三つの場面を読みました。一つ目はボーセアン夫人による処世術指南、二つ目はヴォートランによる処世術指南で、共にキーワードは「parvenir 出世する」でした。三つめは最後の埋葬シーンです。しっかり読んでみると、ゴリオ爺さんの埋葬と一緒に、若者としてのラスティニャックの涙も埋葬されていました。以後、青年は、社交界との勝負に勝利をおさめ、冷徹な人間として出世街道を驀進する――そんな未来が感じられるラストでした。次回は11月21日となります。フローベールの『ボヴァリー夫人』を読みます。予習をどうぞよろしく。