今日は、コンパニョン『文学の第三共和政』第29節の最後まで、解説しました。ピエール・オーディアによれば、文学史の衰退は、進展する哲学思想のような自己改革が起きず、古い方法に依拠したまま制度として固まってしまったことから生じたようです。作者ではなく作品やテクストの「現動acte」を重視するオーディアのベルクソン的文学批評は1960年代の新批評を遠く予告しているというコンパニョンさんの指摘には、エンヌカンやコスチレフに続く先駆的批評家としてのオーディアに対する高い評価が見て取れます。次回は第30節を解説します。いよいよ第一部「ギュスターヴ・ランソン 人と作品」の最後となります。