年内ラストの今日は、ヴァレリーの「マネの勝利」の続きを、ポッシュ版p.1358の下から4行目まで、読みました。今日読んだところではp.1358の二番目の段落のilが誰を指すのか曖昧な気がするという素朴な疑問から出発して、素直に、かつ丁寧に読んでみれば、これはやはりマラルメ以外にあり得ないという結論に達し、実際、編者のジャルティ先生も脚注で、「彼が〈ナナ〉について書いた甘美な数行」が、ジュール・ユレとの対談のなかでマラルメが用いた表現であるとして、その箇所「われわれ皆がその肌理を愛撫した、ナナの肌」という部分を紹介していました! この箇所については、過去の日本語訳が「彼」をマラルメではなくマネとしてしまっているために、文意が通らなくなってしまっているようです……。さて、「マネの勝利」も残りあと少しです。最後に山場が来ます。「ベルト・モリゾの肖像」についての批評です。引きつづき予習をどうぞよろしく。そして、皆様、よい年末年始をお過ごしくださいますよう。